3月25日開催「2・20アメリカ大使館前弾圧抗議集会やるどー!」報告

 3月25日、高田馬場・戸塚地域センター7階多目的ホールにて「2・20アメリカ大使館前弾圧抗議集会やるどー!」集会(http://d.hatena.ne.jp/ametaiQ/20110325/1299678071)、約60名の参加のもと、ぶじ開催いたしました。当該2名も元気な顔を見せてくれました。
 東北地方を襲った大地震津波の発生から約2週間。東京電力福島第一原発事故による電力不足を理由に、ここ東京では集会・イベントの自粛ムードが一気に広がっています。2.20アメ大前弾圧抗議集会は、こうした現在進行形で起こっている問題も含みながら、高江―沖縄―東京―日本で起こっている事態について多角的に検証する場となりました。集会内容はユースト配信され、映像で見ることができます。ぜひ生の声をお聞きください。
 
 
アメリカ大使館前弾圧抗議集会・前半
USTREAM vpress
http://www.ustream.tv/recorded/13549925
 
①沖縄・高江の現地報告とスラップ訴訟
 ゆんたく高江(さっちゃん)

 高江現地では、ヘリパッド建設工事が2010年12月再開されて以降、阻止するための座り込みが24時間体制で行われている。大量の作業員を動員しての工事強行にくわえ、日本政府は、高江の住民たちにたいし、通行禁止を命じる仮処分→本訴訟を起こし、不当に圧力をかけている。「民事弾圧」といえるスラップ訴訟(Strategic Lawsuit Against Public Participation)とは何か、現地の最新状況とともに報告。「高江ヘリパッドいらない住民の会」からの連帯メッセージも!

・高江住民の会からの連帯メッセージ
 みなさま、いつも暖かなご支援ありがとうございます。ご存知の事と思いますが、高江では去年12月22日の沖縄防衛局による早朝工事にはじまり、米軍ヘリのホバリングによるテント損壊、裁判開廷のさ中の工事強行、そして2月からは毎日100名もの作業員を動員してのヘリパッド建設への作業が進められました。
 少数である高江住民の会は、この間、多くのみなさまの現地支援に助けられ、東京はじめ各地での集会やデモ行進、アピール行動、ネット上での情報発信に大変勇気づけられ、元気をもらい、毎日の座り込みを続けることができました。大変感謝しております。結果として、工事の進行を最小限にとどめる事ができました。
 この3月から6月までの間、沖縄防衛局は希少鳥類の営巣期間であるため、騒音の大きい重機を使った作業は控えるとしており、今現在工事は中断していますが、また7月から本格的な工事再開が予想されています。
 私たち住民の会は、これからもみなさまの力や知恵をお借りしながら頑張っていきたいと考えております。お集まりのみなさま今後とも、ぜひ気持ちをひとつに、力を合わせてヘリパッド計画の断念を求めて一緒に頑張っていきましょー!!
   2011/3/25 高江ヘリパッドいらない住民の会

 
②2.20アメリカ大使館前への道のり〜高江を救え緊急アクション
 沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委(園)
 高江でのヘリパッド工事強行に抗議する防衛省前行動に始まった高江を救え緊急アクション。東京でも新宿デモ、街頭情宣、抗議申し入れが創意工夫を重ねつつ展開された。なぜ私たちはアメリカ大使館に抗議するのか。なぜ「新橋SL広場をタハヒール広場に!」なのか。映像を交えながら、2.20当日のデモボイコット、アメリカ大使館前にいたる経緯を報告。
 (※一部音声が途切れていますゴメンナサイ)
 
③連帯アピール:ゆんたく高江(村上)
 12月以降の高江を救え緊急アクションをともにつくり、沖縄・高江の魅力を音楽イベントなどをつうじて東京で伝えつづけてきた「ゆんたく高江」からの連帯アピール。2.20アメ大前弾圧やスラップ訴訟は、米軍基地はいらない、ヘリパッドいらない、という切実な声を挙げることすら萎縮させかねない。「映像やネットでは伝えきれないデモの楽しさ、座り込みの現場でつくりだされてきた空気感を伝えていきたい」。
 
④2.20弾圧〜救援活動の経過とその背景
 2.20アメリカ大使館前弾圧救援会(茂木)
 警察による新橋駅前での「無届け集会」警告乱発、アメリカ大使館前への移動中、そしてJTビル前における過剰警備、アメ大申し入れに対する警察介入、そして2名の不当逮捕。2.20当日の逮捕前後の状況、その後の赤坂署による差し入れ・接見妨害に始まる救援活動の一連の経過報告。さらにイラク開戦以後頻発してきた微罪逮捕、治安強化の名の下に危機を煽り、みずからの権限を拡大してきた警察、タブー化するアメリカ批判、社会の警察化現象など、2.20弾圧の背景を徹底分析。
 
⑤被逮捕者によるアピール
 赤坂1号
 「多くの方にご心配とご無理を要請してしまい、もうしわけないと思っています」と述べた後、警察官に髪の毛をわしづかみにされ連行されたことについて、率直な感想として「80年代にくらべて、いまの警察は非常に“非暴力的”だと思った」との爆弾発言(笑)。その真相は? 映像で生の声をぜひお聞きください。警察の暴力にひとつひとつきちんと抗議をすること、人権をかかげてたたかうことの大切さについて。
 
⑥被逮捕者によるアピール
 赤坂2号
 第一声は「六法全書もってこい」!? 沖縄の次に米軍基地・関連施設の多い神奈川からアメリカ大使館抗議にかけつけた理由、逮捕・勾留されてからの状況報告にくわえ、警察による不当逮捕、人権侵害とたたかうための法知識の数々、獄中生活を快適に過ごすためののノウハウ(!?)を、今回の一連の体験にもとづきあますことなく報告。あなたがもし不当に逮捕されたら・・・タメになる話が満載です。 
 
 
アメリカ大使館前弾圧抗議集会・後半
USTREAM vpress
http://www.ustream.tv/recorded/13550964
 
⑦公安条例――街頭行動への弾圧の問題点
 麻生邸リアリティツアー弾圧国賠訴訟団(原告A)
 警察は「デモをやらせたくない」「こうやって人が集まっていることが気に喰わない」――2.20アメ大前弾圧と2008年麻生邸リアリティツアー不当弾圧の共通点をさぐることでみえる問題点――憲法違反の「公安条例」、公共の安寧・安全を旗印に恣意的解釈によって行なわれる逮捕の不当性。「運動やらないと生き残れない」社会で、あらたな自然権を獲得していくための集団示威行為、「表現の自由」の重要性について解説。
 
⑧会場からの発言
子どもの権利条約にとりくんでいる元教員の方から
・ NOVOX持たざる者の連帯行動の方から
 
⑨連帯アピール:辺野古への基地建設を許さない実行委員会(中村)
 防衛省首相官邸への申し入れ行動など首都圏の共同行動をつくりつづけてきた「辺野古への基地建設を許さない実行委(辺野古実)」からの連帯アピール。警察の強行姿勢の背後には、戦後ずっと沖縄に基地をおしつけ「思いやり予算」によって支えてきた日本政府の意思がある。いま災害救助を名目に、自衛隊と米軍が東北地方に大規模展開し、アメリカはこともあろうに、普天間基地の存在意義を誇示している。「沖縄はゆすりの名人」などと差別発言をしたケビン・メアを震災担当窓口として復活させ、沖縄の怒りに火を注いでいる。アメリカと日本政府にあらためてつよく抗議する。
 
⑩連帯アピール:フリーター全般労働組合(山口)
 連帯メッセージをいただいたフリーター全般労働組合からのアピール。2.20アメリカ大使館前弾圧、そして今回の大震災・原発事故を経ていまわたしたちに問われているのは「自治と自律に自らをゆだねるのか、それとも統治と他律にゆだねるのか」。統治する側がもっともおそれているものは何か。「アメリカ大使館への道は、アメリカ大使館に抗議するためにある」。
 
⑪集会参加者より、フリーター全般労組の発言を受けてひとこと言いたいとの申し出あり。
自治と統治、それは単純に切り離せるものではない」くわしくは映像にて。
 
⑫連帯アピール:みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会(しんたろう)
 渋谷区では都市再開発とリンクする形で、公共のものであり生活の場でもある公園が一企業に売り渡され行政代執行――警官やガードマンを大量動員しての暴力的排除が行なわれた。みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会からの連帯アピール。昨年9月早朝に宮下公園がぬきうち封鎖され、野宿の仲間が寝起きしていたテントから引きずり出され、行政代執行が行なわれた。公園はだれのものでもない、みんなでメシつくって喰う場所。だれでも使える場所として公共空間は存在している。今後は国賠でたたかう。「工事を始めちゃったから勝ったと思うなよ、という声をあげていきたい」。
 
⑬2.20アメリカ大使館抗議行動主催者よりお礼とメッセージ
 沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会(大野)
 当日行動を呼びかけ、救援に携わった者として、ご支援いただいたみなさんにあらためてお礼をいいたい。法的根拠のない不当弾圧であったという事実をこの場で共有できたことに感謝する。
 きょうさまざまな話の中から、弾圧というものを「点」ではなく「線」あるいは「面」としてとらえることができた。非暴力をつらぬいている人たちにたいする暴力があちこちで行われている。グアムやサイパンなど、国外の移設候補地でも、もしかしたら弾圧が起こっているかも知れないという想像力をもちたい。
 この弾圧を乗り越えるためにも、当たり前のつながりを取り戻していきたい。わたしたちは、警官隊の向こうにいる街の人びとに、高江で起こっていることをどう伝えるか、愚直に真剣にやってきた。運動は、切実であると同時に楽しい。弾圧ごときで忘れたくない。警察がさえぎってくるラインをどう越えてつながりをつくっていくか、これからもしっかりやっていきたい。
 
⑭最後は さっちゃんのタイコと歌!
  とどけ、反撃ののろし!
 
ーーーー以上、抗議集会ダイジェストでした。詳細は映像にてお楽しみください。
 
 不当逮捕された2名はぶじ「不起訴処分」をかちとりました。しかし東京地検が下したその処分内容は、いずれも「起訴猶予」でした。検事は調べにおいて「捜査資料を見ても被疑事実は確認できない」などと言明していました。にもかかわらず結果「起訴猶予」としたことは、日本の刑事司法が今回、自らがもっとも遵守すべき「憲法」や「刑訴法」よりも、「日米同盟」を優先したことになります。わたしたちの「高江にヘリパッドはいらない」の声を、権力の濫用によって暴力的に封じたことを、反省し恥じるどころかひらきなおり、2名の仲間の人権をさらに踏みにじった赤坂警察・東京地検を、わたしたちは決して許しません。
 わたしたちはこの弾圧にひるむどころか糧にし、高江に、沖縄にあらたな米軍基地を押しつけ、その尊厳を踏みにじり続けるアメリカ政府・日本政府にたいし、さらなる「反撃ののろし」を上げていきたいと思います。待ってろよ!!